(ま)
今年の夏は冷夏だと
予想されていたようだが、
暑い。
ぼんやりしているうち
立秋を迎え
暦では秋なのだろうが、
暑い。
かといって、
涼しくなれば
暑さを懐かしむ
はず。
これはいつものこと。
とはいえ
あんまり暑いのは
苦手だ。
「暑いの字」が
重なって、
さらに暑苦しい。
そんなこんなで
熱帯夜を詠む
真夏の夜
夢の遠のく
寝苦しき闇
まるみ。
まなつの よ
ゆめの とおのく
ねぐるしき やみ
まるみ。
今年のまだ初夏の頃、
寝床から窓のほうへ
目をやると明るい
気がして、
カーテンを開いてみると
ああ、やっぱり、
満月と思われる
月が輝いていた。
寝床と窓と月の位置から、
変な体勢でなければ
寝床からは
月を眺められなかったが、
それでも贅沢な気分に
なった。
そんなときのことを詠む
窓の月
初夏の寝床の
ありがたさ
まるゆ。
まどの つき
しょかの ねどこの
ありがたさ
まるゆ。